BABY×DOLL

今更、足掻いた所でどうにかなるものでもない。

間違いなく、私達は犯罪者なのだから。

それでも、セリカと龍之介を鷺沼さんに頼み、一つ心配事が減った。
それだけでも、かなり負担になっていたし。

でも…翌日、病院へ行くのは気が重かった。

橋本ちゃんに、龍之介の声を聞かれたことが心配だった。病院に着いた途端──逮捕されるんじゃないか?と、まで考えていた。

胃が痛くなるくらい緊張しながら病院へ行ったのに、現実は全然違った。



着替え終わり、仕事に入る。
仕事場は何故かみんな大騒ぎだった。

「おはようございます…何かあったんですか?」

「あら!小西さん風邪もういいの?」

「あ、熱だけだったんで…もう平気です。みんな何に騒いでるんですか」

「それがね突然、院長が退職したのよ!」

「──えっ?!」

正己…が…?

「自主退職って話しらしいけど昨日、緊急の役員会があったから、もしかしたら'クビ'なんじゃないかって噂になってるのよ」

「もしかして、誘拐事件でですか?」

「かもね」

「でも、院長ってお婿さんでしたよね?」

「だからね…離婚するんじゃないかってみんなで言ってたの」

まさか──本当?