BABY×DOLL

'───私は自然に

彼の申し出に了解した。
…本気で一夜だけの恋に落ちたのかもしれない…

私は少しだけ彼から離れた。

そして彼の目を見つめる────'







ダメ―――ッ!!

やっぱ無理!っていうか…怖いの!

キスなんかしたら心臓が止まっちゃう!

急に回りの視線に恥ずかしくなってきた。

こんな所で…やっぱりキスなんかできないよ!

やっぱ止める!
監督に相談して上手くごまかせるようにしてもらえないかな?!
一度、カメラ止めてもらって──…



その時、
森島さんが私を抱き寄せ、カメラには見えないあたしの左側の
耳に掛かる髪をかきあげ

自らの口を近づけ、耳元で囁いた。

マイクで拾わないくらいの微かな声音。
唇の動きに耳が触れる。



──確かに
    聞こえた…






──本気でセリカの事が好きになったんだ─


ゴメンね



キスしていい?






  【ドキン】


鼓動がスローモーションのように感じられた。

あたしは頷く事も
声を出す事も出来ずに

森島さんが唇を近付けるのと同時に

自然と瞼を閉じた…



柔らかい彼の唇が触れた。


それが初めてのキス