BABY×DOLL

'ご冗談を'と言って断る事もできたのに…?

──すっかり月に引き込まれていた。

心地よいこの胸の高鳴りを止めたくない…'







──どうしよう!
凄いドキドキしてきた!
キスシーンはすぐそこだっていうのに、心臓が破裂しそう!

このドキドキ…絶対に森島さんに伝わってるよね?

かろうじて台詞は出てくるけど、もはや役どころではなかった。

あたし演技できてる?ううん絶対にできてない!

どうしよう!今、'カット'の声がかかったら…やり直しなんかできないよ!

完璧テンパってる。

───それでもフィルムは回り続けていた。






'『それから…?恋仲になればどんな言葉をかけるの?』

『好きだ、とか愛してる…とか?』

『貴方なら…どんな風に言うの?』

『僕?…〈貴女を誰にも渡したくない〉かな…?』

『ねぇ、言って』

『誰にも渡したくない』

『もっと言って』

『…帰したくない』

『好きよ…』

『貴女は僕のものだ……小夜』

ずっと聞いていたい愛の言葉。
今だけだと知りながらも、これが現実なら幸せだろうに…そう思い願っていた。

やがて彼が言った。



『貴女にくちづけしても?』'