BABY×DOLL

「ゲホッ、ゲホッ…」

あたしは身体の中の毒を全て出したい勢いで吐き続けた。
それでも鷺沼さんは一方的に話しを続けた。

「当然、僕は何故だかわからなくて彼女を責めた。彼女は病院で精神的疾患だと診断されても理解できなくて」

「…」

「表面ではわかっていたよ?『彼女は精神を病んでいた。それに僕は気付かなかった』ってさ。だけど彼女を支えようとか、一緒に頑張ろうとは思えなかった。

結局、彼女を責め続け──捨てるように離婚した。半年後…彼女は子供が死んだ同じ場所で飛び降りて死んだよ」

「…もういい…」

「しばらくしてから思ったのは、子供を殺したのは僕だって事だ!彼女だって僕が殺した!

テレビを見れば、よくある事件のように母子の心中や育児放棄で子を死なせたってニュースがやっていた。
でもよくある事なんかじゃない!僕にはたった一つの家族の事だったのに!

救えるのは僕だけだったのに!」

「もう止めてー!!聞きたくない…!」

あたしは泣き叫んだ。自分が責められてるみたいで苦しい…!
彼女を想像できて気持ち悪い…


「キミも…同じ事をしたんじゃないのか?」

「…そうよ…あたし…あの子を殴ったの…」