BABY×DOLL

「こ…子供を投げ落とした?!」

あたしは最初、彼が何を言ってるのかよくわかんなかった。
そんな事、想像もつかないし…あり得ない。

だけど彼は悲しそうに続けた。

「いわゆる〈育児ノイローゼ〉ってやつ。彼女は子育てするには幼すぎたんだ。僕は彼女の変化なんて全然気にも止めなかった」

「育児…ノイローゼ」

「それに気づいたのは彼女が子供を殺してしまった時だった。幸せだと思っていたのは僕一人だけだったって事をね」

「そんな…嘘でしょ?」

「だったらいいんだけど。僕は子供が好きだったけど育児をあまり協力するような男ではなかったし、彼女に責任を押し付けていた」

彼の言葉が嘘みたいに思える。そんな人じゃないって思っていた…

ホントはね、ただ夫婦の方向性が違っていて普通に離婚しただけだと思っていたの。

「彼女は…僕の知らない所で静かに狂っていったよ…。そしてある日、発作的に子供を投げ落とした。

だけどそこで目が覚めて…バラバラになった息子の身体を抱き抱えて泣いていたんだって」

あたしはその場面を想像し、気持ち悪くなって台所へ行き

胃液混じりのアルコールを吐き出した。