BABY×DOLL

「え?」

「話しするんでもここじゃ…キミが目立ち過ぎるし。かと言ってこんな姿の女をホテルには連れて行けないから…嫌かな?」

あたしは首を横に振った。

「じゃ行こう」

そう言うと彼は持ってきた上着をあたしに着させて、一台のタクシーを止めた。

タクシーに乗り込み彼の家まで向かう。車内ではもちろん無言だった。
彼の家はもっと近いんだと思っていたけど結構遠かった。タクシーの料金メーターを見て驚く。

あたしがこんな姿だからタクシー使ってくれたんだ…悪い事した。

タクシーを降りてあたしは言った。

「ゴメン。あたしお金持たずに出てきたの。今度タクシー代払うから」

「別にいいよ。とりあえず中に入ろう」

彼に促されるままアパートの彼の部屋に入る。中は…彼の性格だろうか?シンプルな部屋、家具はほとんどなくキレイだった。

そんな中───この部屋には似つかわしくない物が壁際に置かれている。

あたしはそれに釘付けになっていた。
当然、それが意味する事は分かるけど…

鷺沼さんはあたしが見ているものに気付いた。

「──あぁ、それ?僕の子供の'遺影'。嫁さんはね…子供をビルから投げ落としたんだ」