BABY×DOLL

意外と手が出るのは簡単。一度、一線を越えてしまえば次も容易く手が出せると思える。

このままあたしは
龍之介を殺してしまいそうな勢いだった──



「ぎゃぁぁぁぁん!!」



「───!!」


物凄い龍之介の泣き声に、あたしはハッとした。

あたし…今何をした?

殴った…それは自覚したけど怖くて龍之介の顔は見れなかった。

龍之介は泣き続けた。泣く事が彼にとって唯一の抵抗だったのかもしれなかったけど、あたしは皆に責められる声のように聞こえてならない。

これで龍之介が死んでしまったら──どうしよう…

この泣き声が止む時
龍之介は死ぬ。
…そんな気がする。

怖くて、怖くて

手が震えていた。変な汗もかいてる。
あたしは龍之介から逃げたくて、
この状況から逃げたくて

隠しておいた封を開けてないウイスキーを飲み続けた。

あたしの人生の総てが何もかも終わった気がする。

いや、気がする所か…終わったんだ。
もう何もかも終わり。

新生児誘拐。あげく殺害?

きっと世界中の人に責められて、死刑になって死ぬんだ

こんなに飲んでも全然酔わないし震えも止まらない。

あたしは部屋の隅で泣き続けた…