BABY×DOLL

先頭車輌に着いた。
その中で、あたしと目が合って笑顔で待っていた男性に近づく。

制服を着ていないと、この前と全然雰囲気が違う…

でも、あの笑顔だ。

「悪かったですね。来てもらって」

「いえ…落としたあたしが悪いんだし」

「いや、時間まで指定しちゃったから。ハイ、手帳。大丈夫?これキミのですよね?」

「…ありがとう」

見慣れたあたしの手帳…渡された手帳をパラパラとめくる。
どこも破かれてないし、外もキレイだ。

「中を見たの…?」

「……すいません。キミの名前が書いてあったから僕は持ち主がわかったんだけど、知らない人が拾っても多分キミの事だとは思わないですよ」

「それは…貴方が、あたしが誰かわかってたからってこと?」

「そうですね」

「つまり…貴方は手帳に書いてある意味がわかってしまってるのよね?」

「…でも僕、誰にも話しませんからね」

この言葉を鵜呑みにする事は出来ない。
だってどんな人か知らないし、親しいワケじゃないんだから。

「…」

「…信用できませんか?…そうですよね」

あたしが答えないでいると、彼の方からそう言ってきた。


───それで?

何が言いたいの?