BABY×DOLL

駅員の彼は一体何の話しをするんだろう?

それだけが心配で、あたしは家を出た。

またいつものようにメガネと帽子をかぶって。

昼間は乗客が少ない。だけど、それすらも気付かないほど心臓はドクンドクン鳴っていた。

数十分、電車に揺られあの時、途中下車した駅にあたしは再びやって来た。

もう来ないと思ってたのに…ホント、あたしってバカ。

『駅で』とは言ったものの…ドコで待ってるわけ?あたしはドコに行けばいいの?

乗り降りする人の少ない駅のホームで、ただ立ってるのは目立つし、彼だって職場で女に声をかけられないだろう。

そう思った時、携帯が鳴った。

「もしもし?」

『来るの早いね』

──やはり彼からの電話。

「取りに来たけど、どうすればいいの?」

『よく考えたら、ここじゃ声かけにくいよね?もうすぐ上りの電車が来るから、それに乗ってくれるかな』

そう言われてホームを見渡すと、同じホームの先…ちょうど先頭車輌が停まる位置あたりに彼がいて

あたしに軽く手を振ってきた。

「あぁ…わかった」

あたしはそれだけ答えて電話を切った。

そしてしばらくして、やって来た電車に乗り

彼の方へと歩いていった。