BABY×DOLL

「ただいま。…あれっ?」

その時、琉嘉が帰ってきた。
言ってた時間よりも少し遅い。

だけど気にもしなかった。

琉嘉は泣いていた龍之介を抱き上げた。

「龍、ただいま!お前なんで泣いてんのよ。セリカは?」

そう声をかける琉嘉の前に、あたしは顔を出した。

「おかえり!ゴメンね、トイレ行ってる間に龍之介が泣きだして」

あたしは嘘をついた。

見られなかったんじゃない。見なかったんだ。

琉嘉は龍之介ノートを見ながら龍之介をあやしていた。

「昼間、平気だった?一応ミルクは飲んだのね」

「うん。何とか飲んでくれたよ。慣れてきたのかな?それとも才能かしら!?」

「バカね!回数こなすうちに上手くなってくるものよ。そろそろミルク飲ませる時間じゃない?」

「あ、作ってくるね」

あたしは台所へ向かった。

…嘘をついた。

その事で心臓がドキドキしてる。
でも…一日くらい平気よね?

明日ちゃんと飲ませればいいんだもの。

たった一日じゃ…慣れる訳がないよ

そう言い聞かせて、出来上がったミルクを持って琉嘉に手渡した。そして…先に龍之介に話しかけた。

「龍!今度は琉嘉ママが飲ませてくれるよ」