BABY×DOLL

「そりゃ美味しいだろうけど…高いじゃないの!」

「そうかな~普通じゃないの?」

高級寿司で有名な店だったのは知ってる。テレビにも何度も出てたし

だいたい『時価』って何なのよ!

怖くて頼めないじゃないの!

…って感じの店。
それをアッサリ買いに行っちゃって『普通』とか言うセリカの金銭感覚に恐怖を覚えた。

「まさか、毎回こんなの食べてたんじゃないでしょうね?」

「まさか!毎回お寿司じゃ飽きちゃうよ!でも毎晩外食だった」

「ウソ!」

「何で?あたし料理できないもん」

当たり前って顔して答えたセリカを見て、ますますヤバいと思った。

「料理はできなくてもいいけど。ここで作る気はないし。でもコンビニで十分だからね!」

「うん」

「高い物じゃなくていいの!わかった?」

お金を無駄に使われないように、私は彼女に念を押した。

「別にあたしもそれでいいわよ?でも今夜はお祝いだからさー」

「お祝い?」

セリカは持っていたビニール袋から冷えた缶ビールを二つ取り出した。

「龍之介を無事連れ出せた事のお祝い。ね?」

「…なるほどね」

思わず笑ってしまった。

その夜は三人でささやかなお祝いをした。