BABY×DOLL

「きゃあっ!」

「ガタッ!バシャ!」

「!?」

セリカの叫び声と、大きな物音で私は目を覚ました。

「ゴ、ゴメン!起こしちゃった?」

「ん~…何の音?」

「いや…その」

起き上がってセリカの方を見ると───台所は水びたしだった。

「…何してんのよ?」

「えぇっと…そろそろミルクの時間かなって思って…琉嘉、寝てるし…そしたら途中で哺乳瓶落としちゃって…」

私は、その有り様に呆れた。

やってくれようとしたみたいだから失敗は仕方ないのかな…

「今何時…?」

「夜の10時」

「そう」

いつの間にか寝ていたらしい。…そりゃそうか。昨日は寝てないし…帰ってきてもバタバタしてたし。

「琉嘉、お腹すいてない?あたしコンビニとか行ってこようか?」

「そう言われれば…お腹すいてるわ。ほとんど食べてなかったからね。悪いけど買ってきてもらえる?」

「うん!」

セリカは嬉しそうに返事すると帽子を深くかぶり、メガネをかけた。

「行ってくるね!」

「はい、気をつけて」

私は少し笑いながらセリカを見送った。

ふふ。帽子とメガネはやっぱり変装の定番なのかしら?セリカってあれしか思いつかないみたいね。