BABY×DOLL

「いや…それはまだ何とも」

私の質問に刑事はハッキリと答えなかった。『誘拐』かどうか断定できてない…そんなところだろう。

刑事は答えられない代わりに話題を変えてきた。

「この病院の産婦人科は芸能人や金持ちが多く利用すると聞いてますが」

「そうですね」

「出産の記者会見もたまにやってますよね?彼らのように…みんな出産直後に記者会見ってするもんなんですか?」

…そうだ、
よく考えてみれば…

「…'出産直後'ではなく、'退院時'がほとんどです…だから今回は病院内で会見してたんだと思います」

「母親や赤ん坊の身体の為に、ですかね?」

「そうでしょうね…」

確かに少し『異例』
こんなに急いで世の中に公表する必要があったの?

まさか…セリカに見せつける為に、じゃないわよね?

だとしたら最低な夫婦だわ…

私の中に、彼らに対する不信感が芽生えていた。

他にも色々質問や雑談みたいなものをして、ようやく私は解放された。

「ありがとうございました。お疲れになったでしょう」

「えぇ、少し。夜勤明けですから眠いです」

「何か思い出したら連絡ください。あ、そうそう、貴女は出産願望はある方ですか?」