BABY×DOLL

「一人です。時間は…12時と2時、勤務録にもそう書いてあると思います」

「そうですか。…失礼ですが、トイレ等で部屋を出たり一人になった時間はありましたか?」

形式通り、当たり前に聞くような些細な質問にも私はドキドキしてた。

声が震えたり裏返ったりしないように、って思いながら演技を続けた。

「トイレには何度か」

「4時~6時には?」

「さぁ…実は生理痛が酷くて細かい時間は覚えてないんです。多分その時間の間に一度は行ってますが…あぁ、そうだ。途中の廊下で院長に会いました」

「不審者は見なかったんですね?」

「はい」

刑事はメモをめくりながら少し考えて、違う質問をしてきた。

「森島虎之介さんと小林仁奈さんが病院内で出産直後に記者会見してましたよね。小西さんはご覧になりましたか?」

「あ―…少し見ました。記者や入院患者が多くて、あまり見えませんでしたが」

「その記者や見に来た人の中に、ちょっと違和感のある人なんていませんでした?」

「どういう意味ですか?」

「犯人はすでに彼らに目をつけて、下調べに来ていた可能性もあるかな・と思いまして」

「それは…赤ちゃんはやっぱり誘拐されたんですか?」