BABY×DOLL

「ゆ、誘拐?!」

「そう。あたし色々考えたの。でも身代金なんていらないし、そんなの請求したらヤバい事くらい分かってる」

「それで…子供を誘拐するだけ?例え赤ん坊を誘拐したとして…苦しむのは彼だけじゃないわよ?」

ちょっと安易すぎる…不安になって私は彼女に詳しく聞いてみたくなった。

「分かってるわよ」

「彼を奪った小林仁奈の事も憎いの?」

「…もちろん憎い。何もかも嫌い」

セリカは私から目線を反らし、何も見えない窓の外を見ていた。

「誘拐なんて犯罪よ」

私はいさめるように言った。

「分かってる…全部分かってる…でも、そうしたら…あたし自身が可哀想よ!ガマンしなきゃダメなんておかしいよ」

「他に方法があるハズよ!」

「あたし…中絶してから後悔してた。何度も'産めば良かった'って思ったの。だったら…子供を授かった彼らにはこれが一番効果的だと思ったの」

「落ち着いて!」

私は興奮するセリカの肩を掴み、なだめようとした。精神が不安定みたいだ…

「ほんの数日でいいのよ!彼らが苦しめばそれでいい…!赤ん坊を誘拐して──数日で『赤ちゃんポスト』に返すのよ!」

「な…何ですって!?」