BABY×DOLL

捕まえたその人物は思ったより小柄で細かった。

「離して!」

声を聞いて女だと気付く。逃れようともがく彼女に話しかけた。

「待ちなさいって!貴女何してたの?」

「何もしてないわ!離してよ!」

「何もしてないなら逃げる事ないじゃない!貴女、入院患者じゃないわね?」

「…し、知り合いの見舞いに来たのよ」

「こんな夜中に?」

明らかにおかしい。逃げる口実を探してるとしか思えない。

どうしよう?
誰か呼んできて警察を呼ぶ?

でも彼女が何をしに来たのか解らないし…

少し迷って、私は彼女から理由などを聞き出してから判断しようと思った。

「ねぇ、とりあえず落ち着いて。声出してたら誰か来るわよ?」

「…!」

その一言で彼女は静かになった。

「ここで何をしようとしてたの?」

「…」

「じゃあ…そこの空き病室で少し話さない?私もこのまま貴女を帰す訳にはいかないのよ」

彼女は黙って頷き、私と一緒に病室へ入った。

部屋に入り、照明をつける。
照らし出された彼女の顔に…

私は見覚えがあった。






「…中森セリカ?!」





ねぇ、セリカ
覚えてる?

これが私とセリカの出会いだった。