BABY×DOLL

いつまでも後悔していても仕方ない。

かと言って簡単に吹っ切れることもなく、心の中はモヤモヤしてばかりだった。

幸い、私は泣くタイプじゃなかったみたいだ。

あの夜は少し泣いたけど、あの時だけで涙は止まった。
だけど引きずってる…

仕事も探さなきゃならない。

正己から貰った手切れ金と、今までのビデオ撮影で得た収入。それと看護師としての給料から少しばかりの貯金をしていたから

明日、路頭に迷う心配がないだけ安心していた。

多分、またドコかで看護師をやる予定──私の生活は変わらないハズだ。…正己が居ない事以外は。

無くしてみて初めて気付く。
彼が私の生活の一部になっていた事。
正己の存在が案外大きかった事。





しつこいね、私…

──もう
   忘れなきゃ──





「…なのよ」

「あ、やっぱり?不思議よねぇ…」

周りの看護師達が何かの話題で盛り上がっている声で、今は仕事中だったと我に返った。

…いけない。またボーっとしてた。しっかり集中しなきゃ!今日は夜勤だし!

「何の話し?」

私も彼女達の会話にまざる事にした。

「二日前に生まれた赤ちゃんの話しよ」

「二日前って…」