BABY×DOLL

まるで指の間からすり抜ける砂のように、スルリと

正己に抱いていた気持ちが落ちて壊れた…。

好きだったの?
彼に恋していたの?

彼を愛していたの?

彼の何を知ってる訳ではない。
知ってるのは、子供みたいな笑顔とSEX。

正己の身体の全ては知ってるのに、好きな食べ物を知らない。

どんな攻撃が好きかは知ってるのに

どんなキスをするのは知らない───


それでも好きになっていた…?





「ふ…あははははは!」

あまりにもバカみたいだ。私は思わず笑い声をあげた。

あり得ない!
あんなワガママで妻帯者の婿様となんて!

だってセフレよ?

そんな感情抜きに
SEXを楽しむのが前提よ!

彼の私生活なんてどうでもいいわ!

妻と別れてほしいなんて思った事ないもの。


通り過ぎる人が私の顔を見て奇妙な顔をする。

そうよね…
自分でもそう思うわ

でも、何故なのか解らない。

何故、泣いているのか解らない──

彼とのSEXが終わってしまうのが惜しいんじゃない…
彼と終わるのが──悲しいんだ…私…


これが『好き』って感情?



唇に残る感触だけを残して───彼との関係は終わりを告げた。