「はは、ちゃんと覚えてたんだ。うん、今日は完璧」
あたしの頭をぽんと叩いて「よく出来ました」と笑った。
「…馬鹿にしてるでしょ」
「してないよ。今日で最後だから安心した」
「…うん」
『最後』
あたしはその言葉がひどく耳に残って、あたまの中でぐるぐるとまわる。
今日で、おしまい。
「やれば出来んじゃん」
隼人の言葉で、はっと我に帰って、急いで頭の中を切り替える。
「でしょ?あたしだってやるときはやるんだから!
文化祭の実行委員でしょ、球技大会のバスケ、合唱のソロ、それから…」
「知ってるよ、全部隣で見てきたんだから」

