「リュウ君、好き…。ねぇ、キスして?」
私はイスを引いて席を立つと、私の発言に目を見開いて驚いているリュウ君に、そっと抱きついた。
彼の胸に顔を付けると、ドキドキ、ドキ…と早いリズムで波を打っていた。
さっきとは逆に固まっているリュウ君が愛しくて、私はもう一度彼を見上げながら、
「キスして…?」
と呟いた。
「もう、しらねー」
彼の目が色を取り戻した途端、さっきとは違う深く熱いキスをたくさん受けた。
「ユウ。オレの彼女になってくれるか?」
「うん」
私は小さく頷き、また彼の胸に顔を寄せた。
西日の当たる夕方の教室で、私たちはしばらくの間、幸せを噛み締めながら静かに抱き合っていた。