私はあえて目線をそらした。
そして拓に見せつけるかのように
涼と話していた。

「ごめん…ココ教えてくれない?」
「ぁ…ぅん。いいよ?」

皆の視線が背中に突き刺さる。
きっと拓も観てるだろう。

涼は不思議そうな顔で私を見た。
当然だ。
彼氏がいるのに…
でも、好きで付き合ってるんじゃない。
利用するためなんだ。

すべては君を手に入れるため。

すると後ろか声をかけられた。

「ナナ。ちょっとこい」

すると私の返事を待たず拓は
私の腕を引っ張って教室を出た。

「ちょぉ…いたぁ…」

拓はすごい力で手を引っ張ってくる。

「拓!!痛いってば!!」

私は思わず叫んでしまった。

「ごめん…」

拓は「「しまった!!」」
という顔で私の手をはなした。

「何なの?意味わかんないんだけど!!」
「意味…わかんない?」
「そうだよ!!私が拓に何したっていうの?」
「なんだよそれ。」
「だってそうじゃん!!別に悪いこと何もしてないのに!!」
「もと彼と話してんのにか?」
「それは!!普通に友達だからでしょ?」
「うそつけよ!!ホントはまだ好きなんだろ!!」
「好きじゃない!!友達だよ!!」
「うそつけ!!もうあいつと話すな。」
「嫌だ!!友達だも…」

バシッッ

…………

「ぃたぁ…」

私はいきなり頬をたたかれた…

「ふざけんな!!俺に逆らうんじゃねーよ!!」

彼はすごくこわい顔をしてた。
言い返すことができなかった…

彼は…
DVだった…