「なな。大丈夫?もう少しで保健室だから!!」
「ぅ…ん。ぁ…りが…と…」

私は朦朧とした意識の中で涼にこう言った。
涼は心配そうな顔で私を見つめた。
でも…
私にお礼を言ってもらえてうれしそうな顔もしていた。

「失礼します。具合悪そうなので休ませてあげて下さい。」
「良いわよ。先生少し出かけてくるから寝かせてあげて。」
「わかりました。」

涼は先生にそう言われて私をベットの上に卸した。

「ゆっくり寝てね?」

涼はそう言って保健室を後にしようとした。
そこを私がすかさず…
袖をひっぱった。

「涼…マって。ごめん。迷惑だと思うけど…1人にしないで?」

そう頼んだ。
涼は困っていた。
病人の言うことだから聞いてあげたい。
でも私には彼氏がいる。
自分にも彼女がいる。

そんなような顔だった。
私は涼が断りかねないと思うもう1度…

「涼…お願い…だから。」

卑怯だと思う。
でも、そばにいてほしい。
真美のもとへ戻ってほしくない。
そう思ったんだもん。

「……。わかった。」
「…ありがとう。ごめんね?」

そして…
私の具合がよくなるまで…
涼はそばにいてくれた。

そこを誰かが見ているとも知らずに…