不良BOY




「優奈。俺が見てないとでも思った?」



急に顔を上げて言った横山くんの言葉に背筋が凍り付く。



「俺見てたよ。


優奈が神谷と話してんの。

だから優奈より先に優奈の家に行って、待ち伏せしてたんだ。


優奈にお仕置きしないとって思ってさ。」



「……。」



横山くん…怖い……。



それにお仕置きって……



私何されるの………?!



バシッ



「痛っ」



いきなり頬を平手打ちされた。



横山くん…ひどい…!



私が手で頬を押さえていると、



「う…!」



次はお腹を蹴られた。



横山くんはしゃがみ込んだ私を見下ろす。



「優奈が悪いんだよ。神谷となんか話すから。」



そして腕を組んで言う。



「………話すくらい…いいじゃん……」



「ダメに決まってんだろ。優奈は俺のことだけ見てりゃいいんだよ。」



「そんな……。」



「分かった?!」



グイッ



私の髪を引っ張りながら尋ねる横山くんが悪魔のように見える。



「………。」



黙り込んでしまった私。



「シカトしてんじゃねえよ!!!」



横山くんが更に強く私の髪を引っ張り叫ぶ。