バタン!!!!!





「? え、美姫?どうしたの?」




「…っえ?!え、なんでもないよサクラ。あ、そうだ、やっぱりやっといてあげようか?掃除!」



「えーっ!!マジ?!ありがとう!美姫ホント女神!今度なんかおごるから!」


…サクラがバ…いやいや、素直で良かった。

目の前で目撃した事について、一生懸命記憶を整理しながら、残りの二人にも声をかける。


「ねえ、二人とも吹奏楽部なんでしょ?早く行かないと怒られるんじゃない?今日だけ私がやっとくから。」

「え、斎藤さん、いいの?」

「悪いよ。」

「気にしないで、今日はゆっくり帰りたいの。でも今日だけね。」


「…ありがとう!助かる!ちょうど大事なミーティングがあるの!」

「恩にきりマス!」

ひらひらとにこやかに手を振って二人を追い出した後、美姫はロッカーの前に仁王立ちになった。


…さっきから二人は凄く焦った顔をしてるのは知っていた。


ある意味ラッキーだった。


美姫は誰かに焦ったり驚いたり動揺している所を見られるのが大嫌いなのだ。



ゴクリと唾を飲み込み、さっき開けた扉をもう一度そっと開いた…。







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