【短編】天国への階段

 てぃんてぃんてぃんてぃんてぃんてぃんてぃん 

 
 夕方、コンビニから帰ってマンションの前に着いた頃、お母さんから電話だった。 


 「はい。」


 「ひぃちゃん元気ね?」


 「3日前に、電話したよね。元気だよ。」


 やけに、お母さんの声が優しかった。 


 「寒いね?」


 「寒いけど、昨日から桜が咲いたよ!  今年は、九州より東京が先に開花したって天気予報で、言ってたよ。」


 「そぉーてねぇ、多分こっちももうすぐだろね。」

 「で、何の用??」


 「そぉれがね、クリスティーが、目を覚まさんとよぉ!」


 「はっ??
 あ!?どういうこと??もしかして…死んだの?  うそぉ!何でね?いつ?」


 「昨日も、ご飯食べんくて、散歩もいかんかったけど、おとといまでは普通だったとよぉ。」


 「何それ?いつ、いつ死んだの?」


 「それが、わからんとよね〜。」

 「夜中?朝?」

 「朝だとは思うとだけどね…。」

 「何それ…ヒドイ! うわぁ〜んあんあんあんあーっあっあっあ…。」


 22才にもなって、私は、路上で大泣きした。 


 つい、3日前に、「クリスティー元気?」って電話したのに…。


 「うわぁ〜〜んあんあんあんあんあ〜〜っあっあっあっ」


 顔面シャワーを浴びてるかのように、涙は止まろうとしなかった。