強引な庵に身を任せる
朱莉

彼の冷たい肌に触れ
抱かれていると感覚が
どんどん
無くなっていく。
   
まるで氷ついていくよう
に自分をコントロール
できなくなる。

混ざり合い、溶け合う内
に、朱莉の肌の温もりを
庵は、ずっと以前から
知っているような
気がした。

さっきまでとは違い

庵は、優しく朱莉を
その胸に抱いた。

ベッドでうつ伏せで煙草
を吸う庵の背中の刺青に
触れながら朱莉は聞く。  
 
「ねぇ、どうして
 天に登って
 いかないの?」