飴色蝶 *Ⅰ*

いつも以上に、混雑して
いる電車の中
 
私の背中の下着の
線ラインに

そっと触れる手がある。

その両手は、私の背中で
強く組まれ
私を抱きしめる人がいた

私は、小声で言う。

「あの
 離してください」

見知らぬ男性の

小さく囁く声が聞こえた

「俺も君が好きだよ」

そう言って、彼の右手が
私のお尻あたりに触れる

「やめてください」

「俺の事
 好きだよね?」

私を抱きしめる大学生
ぐらいの男性の言葉に
私は驚き

とっても怖いと思った。