私の視線に気づいたのか
彼がこっちを見た。
  
彼と私の視線が
重なり合う。
  
咄嗟に視線を逸らして
しまった私は

彼の事を見れなくなる。
  
もし、彼がまだこっちを

見つめていたら・・・
 
そう思うと

見る勇気が持てなかった

そう私は、満員電車の中
初めて、彼の存在を知り

そして、庵先輩に

一目惚れをした。

それからの私は、毎朝
満員電車に揺られて学校
へと通う事が

とても楽しみになる。

同じ車両に乗り込み
いつものように
人と人の隙間から庵先輩
の事を観察していた。