飴色蝶 *Ⅰ*

その表情に

巴は引き込まれていく。

その後、庵は何も話さずに
窓の外、ずっと遠くを見つめて
菫の事を思った。

巴に連れて行かれた場所は
音楽がガンガンに流れ
踊って酒を飲み楽しむクラブ。

ホスト時代に、こういう場所
に何度も足を運んだ事はあった
が正直、耳障りな音が煩くて
好きにはなれなかった。
 
「ねえ、何か飲むでしょう
 何がいい
 持ってきてあげる」

「何でもいい」

「カナメさんだったかしら
 あなたは・・・」

「私は、結構です」

彼女は、お酒を取りに行く。

要は辺りを見渡して
庵の耳元で言う。

「親父、この店は会澤組の」

ヤクザ風の男達が何人か庵の方
を見つめながら話をしている。

「だろうな」