飴色蝶 *Ⅰ*

久しぶりに感じる庵の香り
体温に触れながら
 
やっぱり、貴方が欲しいと
願うのだった。

貴方は、この世にたった一人。

一人しかいない。

「シュリ、どうした?
 何かあったのか」

朱莉は、庵から離れた。

「ううん、大丈夫
 ただ、貴方が消えて
 しまいそうで
 ほんの少し、怖くなっただけ
 
 ほら、彼女が待ってるわ
 行って」

「ああ」

車へと向う庵を、見つめている
朱莉の瞳に涙が浮かぶ。

まだ、こんなにも

彼を愛している。

車に乗り込む庵に、巴は言った

「やっぱり、彼女はまだ
 貴方の事を愛している
 
 貴方も、彼女の事を
 好きなの?」