貴方の事、心配で堪らないの。

この不安な想いを

どうすればいい・・・

私は、駅までの道のりを
この思いを抱え
持て余しながら歩いて行く。

庵は、繋がらない電話を
テーブルに置き
煙草を取ろうとした時
携帯音が鳴り響く。

その相手は、会澤組若頭
細矢を見張っている
シバからだった。

庵は携帯を切ると上着を羽織り
車の鍵を手に持ち、部屋を出て
急いで駆けて行く。
  
家の周囲で、庵の安全を確保
する為に、見張りに付いている
高月組の組員達。
 
庵が運転する車が、駐車場を
出て行く。

「おい、あれ、親父じゃないか
 お前、追いかけろ」
  
「はい・・・
 親父、待ってください」