飴色蝶 *Ⅰ*

高月組本部事務所に集まる
幹部達の前で、舎弟頭
江崎は言う。

「今日、ここに集まって
 もらったのには
 今後の話し合い以外に
 もうひとつ、皆に
 話さなければならない事
 があるからだ
 
 それは本日、会長直々に
 組を、若頭のイオリに譲ると
 話があった
 
 何でも、今がご自身の引き際
 だと、会長はおっしゃられて
 いる」
    
集まった幹部の者達は

ざわめき出す。

「静かに、話は
 まだ終わっていない

 高月組三代目組長は
 高月 庵で決定した
 
 意義のある奴はいないと思う
 が、まだ、年が若すぎると
 反対や不満に思う奴は
 いるだろう

 イオリが、一人前の組長に
 なるまで、今後は、会長と
 俺達がしっかり裏から
 サポートするつもりだ」