晴香side

『おっかしーな・・・。』

鈴が・・・いない。

約束したのに・・・。



今日はなぜか呼び止められることが多くて遅くなった。

2人とも帰っちゃったのかなぁ・・・。

しょうがない、帰ろ!!


「お、晴香ぁーーーーー!!」

後ろから健の声が聞こえた。

「帰ろうぜッ!!」

『あ・・・うん・・・でも、鈴がいないの!』

「ん・・・?鈴のことで何か・・・大事なことがあったような・・・。
 あれ?走ってきたのもその何かのせいで・・・う~ん。」

『何なのよ!』

「ん・・・あぁ!!思い出した!!
 晴香!やばいんだよ!!」

健が私の肩を揺する。ちょっと痛い・・・。

『もう!どうしたの!!しっかりして!』

私の肩を揺らす手を振り払う。


「大変なんだって!
 鈴が黒崎に連れて行かれたんだよ!!
 なんでこんな大事なこと忘れてたんだ!!」


・・・・・・・は?

状況が理解できない。

とりあえず、もういっかいあたまのなかでリピート・・・。


‘鈴が黒崎に連れて行かれたんだよ!!‘

りんがくろさきにつれていかれた・・・

連れて行かれた・・・

ツレテイカレタ・・・??