・・・今、この状況でもっとも
遭遇してはいけない人の声が聞こえた瞬間、
私の背中に誰かが抱きついた。
「奏!こんな遅い時間までなにやってたんだ?!もう外真っ暗なのに…。
お兄ちゃんは心配で心配で…」
その人物は1人喋って、私をギュウっと抱きしめる。
ほんと…タイミング悪い!
「らっ、楽兄(にぃ)!離れてよ」
抱きついてきたのは案の定、楽兄。
人前で抱きつくなんて、やめてほしい!
でも楽兄は私を離さない。
「あれ?見慣れない人だけど…だれ?」
楽兄の視線が涼太のほうにむかった。
やっ、やばい!!
知っての通り、楽兄はシスコン。