あの音をもう1度

ずっと不思議に思ってたけど…




「あ~。それは…奏の名字を知らなかったから」




えっ?


私の頭に?マークが浮かぶ。




すると涼太は、なんか恥ずかしそうに頭をかいた。


「…奏は覚えてねぇかもしれないけど、奏が最後に出たコンクールで俺ら1回話してんだ」



「…えっ!?」



嘘っ…


でも、記憶を探ってみるけど全然覚えてないι





「まぁ、その様子だと覚えていないみたいだけどな」



ギクッ!



「ご、ごめん…」



なんか申し訳ないな。





「ま、覚えてないのも仕方ねぇよ。大したことないし」



ははっと笑う涼太。



でも、昔の私は何を言ったんだろう…?




気になって聞こうとしたら、音楽室についてしまった。





「よし!今日もやるぞ、奏」



「う、うん!」



まぁ、また今度でいいかな。












私は鞄をおろして、練習を始めた。