あの音をもう1度

「栞…」


私も嬉しくなって涙目になる。









栞にはいつも感謝している。


ずっと傍にいてくれて支えてくれて…栞は最高の親友だよ。








そんな私達のやりとりを鈴宮は優しい目で見ていた。














「---鈴宮。私、決めたよ」


私は栞を抱きしめながら、鈴宮のほうを見た。







「私・・・・もう1度、コンクールに出てみる」





今、決心がついた。


鈴宮の言うとおりだよ。



あの過去を超えない限り、きっと私はまた同じ過ちを繰り返すかもしれない。



もう二度とあの過ちを繰り返さないためにも…



私自身が壁を乗り越えなきゃいけないんだ。