あの音をもう1度




私の前に何年も立ちふさがっている壁。




「私は・・・」




“ガラッ!”



突然、音楽室の扉が開いた。




えっ?



私と鈴宮は振り返った。













「ハァ…ハァ…--奏…」



「栞・・・・」



栞は息を切らして扉に手をついていた。




「しっ、栞!?どうしてここに…」


私は思わず立ち上がった。




いくらピアノを弾いていたとはいえ、授業終了まで20分ぐらいある。





「やっと見つけた、奏。
教室に来ないし心配になって授業抜けてきたんだよ」


栞は飛びつくように私の傍に来た。




「ねぇ、昨日のメールなに?
鈴宮とのこと何にも教えてくれないし」