奏の部屋を出ると隣の部屋のドアが少し開いていた。



ここは・・・?



俺は何かの衝動にかられ、そのドアを少し開けた。



ーっ!



そこには---




「ピアノの部屋よ」



俺の前を歩いていた奏のお母さんが隣に立った。





その部屋の真ん中には、大きなグランドピアノが置いてあった。


窓から降り注ぐ太陽の光でキラキラ光っているように見える。



壁際の本棚には楽譜が立てられている。




「奏が幼いころ弾いていたの。
もう何年も入ってないけど・・」


奏のお母さんは少し寂しそうにそして懐かしそうにピアノを見つめている。



でも部屋の中もキチンと掃除されている。