奏のお母さんは苦笑しながら、俺の近くに来て奏の顔を覗きこんだ。



「熱でもあるのかしら?」



「いえ。寝不足みたいですよ」



さすがに俺のせいで倒れたとは言えない。




「そう・・・。ねぇ、鈴宮くん。悪いんだけど奏を2階まで運んでくれないかしら?」



「えっ?」


俺!?




「私1人じゃ運べないし、今お兄ちゃんも主人もいないから」



確かに女性が人、1人運ぶのは大変だよな。



「わかりました」


俺はニコッと笑った。




「ありがとう。お願いします」



俺は奏の家に入った。