あの音をもう1度

「鈴宮くん…。あなたは…何者?」



「俺は・・・」



“ガラッ”



「あら?遠藤さん、ここにいたの?」



タイミングよく保健の先生が帰ってきた。



「さっき吹奏楽部の顧問の先生があなたのこと探してたよ」



そういえば遠藤って吹奏楽部だっけ?




「え″っ!?・・・・ヤバイ!部活の時間だ!」


時計を見て、遠藤は慌てて保健室を飛び出していった。



時間はいつの間にか放課後になっていた。




結局、奏の過去は聞けなかったな。





「--ねぇ、鈴宮くん」


「はい」




「悪いんだけど…音梨さんを家まで送ってくれる?」