「……何を?」



「お前に…奏にもう一度ピアノを弾いてほしいんだ」



鈴宮の真っ直ぐな目は私の目を捉えた。




なっ、何それ!?



私は思いっ切り手を振り払った。



「なんで?!
私はもう…ピアノは弾かないって決めたの!!」


私は昨日と同様叫んだ。




「どうしてそこまでピアノを否定するんだ!?昔はあんなに楽しそうだったのに」


鈴宮は食い下がる。



「俺はお前にもう一度ピアノを弾いてもらう!」




どうして、そう言い切るのよ…



「あなたに私の何がわかるの!?もう私に関わらないで!」


息が切れてしまうほどまで叫んだ。