あの音をもう1度

「昨日の放課後、お前悲しそうな顔して出て行ったからさ。
……悪かったな」


ポツリと呟いた。




こいつ…もしかしてこれを言うために私を?



私の中にあった気持ちが軽くなった。



「もう……いいよ…」


私は小さい声で言った。



もう過ぎた話だし…




「それじゃあね」




これで終わりだと思って音楽室を出ようとしたら














「でも…」





鈴宮はそう言って私の手を掴んだ。









「だけど…俺は諦めないから」