あの音をもう1度




「離れるのは嫌だけど、俺のせいで奏の未来が狭くなるのはもっと嫌だ。

だから…行ってこい」



そう言う涼太は少し笑っていた。





「離れ離れになるけど、ずっと待ってる」



その言葉は暖かく、さっきとは違う涙が流れた。





最愛の人がここまで言ってくれる。


なら、私はすることは1つだ。






「…4年」



「えっ・・・」



「4年で修業を終わらして帰ってくる」



「で、でも最短でも6年はかかるって…」




知ってるよ、でも--





「なにがなんでも4年で終わらす。
だからっ…待ってて」



「・・・あぁ」





冬の空の元、私は涙を流しながら笑った。