あの音をもう1度




「わかってるの・・フランス留学がどれだけ自分の力になるのか。

でもっ!
涼太が大好きなのっ・・・!
傍にいたい、離れたくないの」



「・・・」




っ・・・。やっぱり、もう--






「…俺も本音言っていい?」




えっ・・・



そう驚いたと同時に、腕を引っ張られ体をギュッと抱きしめられた。




「行くな」



「っ--」



「好きだ、奏。誰よりも。だから行ってほしくないし傍にいてほしい」



「りょ・・・」



「でも、そんなことを言ったら奏の妨げになるから…。だからこないだああ言ったんだ。奏を泣かせるのをわかっていて」




…そんなこと考えていたの?