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「あー!やめろっ!」
“ビクッ”
突然の涼太の声に手が止まった。
いつもの放課後。
今日も音楽室で練習しているのに涼太はどこか不機嫌で1時間もたたずに止めた。
「どうしたの?涼太」
「どうしたはこっちのセリフだ、奏」
っ!!
「俺が気付いていないとでも思ったか?
全然ピアノに気持ちがこもっていない。正直言って不愉快だ」
「・・・‥」
その言葉が胸をえぐる。
でも、それは事実で…何も言えない。
「一体何があったんだよ・・・、奏…」
切なげな涼太を見て、私は改めて知らされたような気がした。



