「また明日な、奏」
「うん。おやすみなさい」
涼太に家まで送ってもらい、私は家の中に入った。
「ただいまー」
“シーン…”
あれ?いつもなら楽兄がハイテンションですぐに抱きついてくるのに来ない。
今日は仕事休みって言ってたけど…
不思議に思いながらリビングのドアを開けると、
「なんだ、楽兄いるんだ」
そこには楽兄はいた。
でも、様子がおかしくて大人しく椅子に座ったまま。
一体なにが--
「奏。おかえり」
「っ!!」
その瞬間、体中に電流が走った気がした。
楽兄よりもずっと低い声。
だがその声は耳に残りやすく、すごく…懐かしい。
「うそ・・・」
どうして…
「ここにいるの--?」