差し出してくれた手を私はしっかりと握りしめた。




---大丈夫。

この手がある限り、私はもっと頑張れる。



そう思えた。





「そういや…」



おもむろに涼太が口を開いた。




「奏は進路どうするわけ?」



「あっ…、進路は…」


少し冷たい風が吹いた。




季節はもう秋で、私も涼太も高校3年生。


いい加減進路をはっきりさせないといけない時期。





「私は・・・・地元の音大に行こうと思う」



涼太と出会う前は普通に進学しようと考えてたけど今は違う。



もっと上手くなりたい・・・


もっと多くの人に喜んでもらいたい・・・!