「・・・僕は奏ちゃんにひどいことをしたんだ」
えっ・・・
「ひどいことって…?」
バルトニアさんは気まずそうに目を伏せた。
「僕はわかっていたんだよ。
奏ちゃんと涼太くんがああやってすれ違うことを」
っ・・・
「この業界にはよくあることだからね。それでも僕はなにも言わなかった。
その結果、もっとも最悪な形になってしまったんだ」
バルトニアさん・・・
「僕は…傷ついた奏ちゃんの傍にいれば僕のほうを向いてくれるかもしれないと心のどこかで期待していたんだ。
けど当日、2人の姿を見て直感したよ。
『この2人の間には入れない』とね」



