「――音梨さん。出番です」 「はい」 スタッフの方に呼ばれて、私は控室を後にした。 「今、笑ってた・・・?」 そんなバルトニアさんの呟きも知らずに。 ・・・不思議だね。 さっきまで、あんなに不安だったのに今はそんな欠片もない。 『大丈夫』 そうだね。 今の私なら、きっと‥‥ そして、明るく照らされている元へと足をのばした。