そう言われた瞬間―― 私の中の時が止まった。 今……何て言ったの…? 「そのためにここに来た」 「………」 鈴宮の言葉は頭に入らない。 私に…ピアノを弾けって言うの…? 「音梨…?」 体がビクッとなって震えた。 「私が……ピアノを…?」 「そうだ。もう一度をピアノを…」 「やめてっ!!!」 私は鈴宮の言葉を遮って、耳をふさいだ。 「それ以上‥言わないで…!」 「どうしたんだよ…いきなり‥」 鈴宮は驚いているみたいだけど今はそれどころじゃない。 スーッと私の頬に涙が流れた。